株式会社ユーザベース
様
SPEEDA、NewsPicks、INITIAL、FORCASなど複数の事業を開発・運営し、新サービス開発やパートナーとの業務連携、海外展開など、非常に早いスピードで新しい挑戦を続ける「ユーザベースグループ」。
「経済情報の力で誰もがビジネスを楽しめる世界を作る」ことをパーパスとし、「SPEEDA」をアジア市場最大級の企業・業界情報プラットフォームに押し上げました。
法律の専門家でありながら、PM的立場で俯瞰する一面も
法務の枠組みを超えてビジネスを楽しむ、面白さに惹かれて
元々SPEEDAの存在を知っていたことやNewsPicksのアプリを実際に利用していたこともあり、転職活動時に面白そうだな、と興味をもったことがきっかけです。
面接を受けてみて他の会社とかなり違った点は、学歴や職歴など、履歴書の記載内容を辿るのではなく、とにかく人柄や考え方を重視するところですね。お互いどうしたら楽しく仕事ができるかを一次面接からオープンにとことん語り合いました。それまで10年ほど法律事務所で勤務しており、インハウスは自分にとっても初めての経験で不安も多少あったのですが、この会社ならきっと大丈夫だろうと。
私も転職活動時にユーザベースと出会ったのですが、特徴的だったのは面接の場なのに、プロダクトの話を30分くらい熱く語ってくれて笑。面接というよりはまさにディスカッションで、それがとてもワクワクしました。
弁護士という肩書や枠組みにとらわれず、法律のバックグラウンドを生かしながら一当事者としてビジネスを楽しみたいなという想いがありまして。そうした背景からインハウスのポジションを希望するようになったのですが、ユーザベースは担当できる業務の幅が広く、新規事業が続々と立ち上がっているのが面白いなと感じました。
法務だけではないビジネス的な側面からも仕事を楽しめるのではないか、自分の想いを体現できる場所と感じてジョインしました。
法的解釈をビジネスにどう実装するか -- 社内リーガルの価値と醍醐味
転職してみて初めて違いを意識したのですが、特に私が所属していたような企業法務系の法律事務所だと、事実関係や課題がきちんと整理された状態で「この課題に対して法的な意見が欲しい」とか「この法的トラブルを解決してほしい」という相談・依頼のされ方が多いんですよね。
依頼案件に対して判例や学説の調査・検証を行い、専門的で正確な意見を出すことが求められる役割です。逆に言うと、多くの場合、外部弁護士は法的な論点を超えた領域には踏み込まないし、クライアントからもそこを求められていない。
社内リーガルの立場になってみると一転、外部弁護士に適切な意見をもらうために何が必要なのか、生の材料から集めて整理をし、相談できるレベルまで仕立てていく。実はこの作業が非常に大変で難しい部分です。また、法律事務所の意見=法的な正解をどう解釈し、意思決定をして、ビジネスに落とし込むのかも重要な役割です。
そこには社内リーガルにしか出しえない大きな価値があり、面白さや醍醐味でもあります。
これまでの立場と大きく違うのは弁護士=専門家としての役割だけではなく、ビジネスパーソンとして何ができるのか、社内リーガルではソフトスキルの部分も強く求められていると痛感しています。
法律事務所の弁護士は、基本的にはアドバイザーだと思っており、クライアントが設定した問いに対して“法的に適切な回答をする”ことが求められます。他方、社内リーガルは、それだけではダメで、問われていない部分についても問題がないかどうか検証することが必要となります。それ以外にも、正解のない中で自分の意見を発信したり、プレゼンスを出していく働き方は、社内リーガルならではだと思います。
人の想いに触れられる、という点もかなり大きいです。契約書等の書面のレビューや作成をする時、外部弁護士と社内リーガルで作業内容に大きな差はないと感じていますが、外部弁護士の立場ではクライアントの意思や悩み、その決断にたどり着くまでの背景は見えづらいです。社内リーガルでは、関係する人々の想いに直接触れながら仕事ができる、これは一番嬉しいことです。情報量が増える分大変さはあるものの、自分の仕事がどこに繋がっているのかを鮮明に意識しながら、ビジネスの当事者として楽しむことができる環境といえます。ユーザーに価値を提供していて、その主体に自分もいるのだと感じられることも魅力かなと。
外部弁護士としてクライアントと関われるのは「法律上こんなリスクがありますよ、こんな対応がありえますよ」というアドバイスまででしたが、社内リーガルとしては「リスクがあるのは分かった。じゃあ我々のビジネスはどうすべきか。やると決めたら、どうやってリスクヘッジするのか。」をプロジェクトメンバーと喧々諤々議論しながら取り組んでいます。
社内リーガルの最も大変な部分でもあり、やりがいだったりしますよね。ビジネスの全体像が見えるようになったこと、アドバイスだけではなくプロジェクトの一員として意思決定して進めていけること…高いハードルですが、とても面白い!
リーガルマターだけではなく、それ以外の部分でも知見を出して、メンバーと一緒に進めていける点にも非常にやりがいを感じます。
もう一人の頼れるメンバー、「LEACT」の存在
LEACTのみなさんは、外部の法律事務所と社内リーガル(インハウス)、両方の経験があるので、それぞれの立場での役割・悩みを分かっていただけるところが何よりも強いなと思います。「外の先生」というよりチームメンバーに近い感覚で会議に出てもらい、素案レベルの事象から相談したり、事実関係の整理をヘルプいただいたり、フラットに意見交換したり。
LEACTのみなさんは、法律家としての優れた経験も持ちつつ、かつビジネスにおいて事業創出にも長けている。プロダクトをどうやって強くしていくか、よりよくしていくかを相談できる弁護士というのはなかなかいないのでとても助かっています。客観的な意見を社内の仲間から聞けるような感覚です。
形式的には外部の先生ということになるのですが、定例ミーティングでの様子は、まさに社内リーガルがもう一人いるかのような感覚です。多くの会社をみている立場だからこそのアドバイスは目から鱗で、ユーザベース社内リーガルの目線に立ちながら、外の活動や知見を惜しみなく還元していただける。
法務の役割が固定化されておらず、社内リーガル自らがビジネス推進する役割を担う企業にとって、LEACTのインハウスサービスはニーズにマッチするのではと思います。外部専門家と社内リーガルの壁を行き来するような形で関わってもらえる、我々にとってはまさにいいトコどりです笑。
ユーザベース法務部(Legal Domain)は8名(取材時。掲載時は9名)、B2B SaaS事業を担当する「SaaS Legal Team」、メディアを主業務とする「NewsPicks Legal Team」、コーポレート部門を担う「Corporate Legal Team」の3チーム体制で業務を行っています。
それぞれ兼務もあり、チーム間で特に壁を設けずに、相談や連携も自由に行えるワンチームです。8名(同上)のうち7名が弁護士資格を保有、会社やディビジョンの規模に対して専門的なエッジを持っているメンバーが多いのが特徴です。全員リーガルの資質に長けているのはもちろんですが、純粋な法務機能からはみ出して会社に貢献したいという情熱のある人材が集まっています。
私はSPEEDA事業を中心にB2B SaaS事業のリーガルと、グループ全体のリスク管理を担当しています。
実務的なところで言うと、事業部メンバーからの法務相談への回答のほか、「こんなことやりたいけど、どんな準備や検討が必要か」といった純粋な法的課題以外の疑問に答えるビジネス上の交通整理のようなPM的アドバイザーの役割を果たすことも多々あります。
私はコーポレートリーガルチームと兼務しており、SaaS事業ではFORCASやINITIALのプロダクトを中心に担当しています。日々の契約書の内容確認から新しいプロダクトやリリース時のアドバイザー的役割、利用規約の改定等関わり方は様々です。コーポレートリーガルでは取締役会や株主総会の事務局も担っています。
2022年5月にジョインしたのでまだ数か月しか経っていないですが、現在は流動的に、チームやプロダクトの垣根を超えて幅広い業務に携わっています。今後はSaaS事業のアメリカや中国等での海外展開を中心に担当することになりそうです。